☆ジョセフテーマ小説☆

九月の夢にて PRESENTED BY ゆパむ様

その白い部屋には何もありはしなかった。ジョセフ・ジョースターは部屋の中で一人孤独に立ち尽くす。影はなかった。日も、風も。そして彼は自身の体が今より筋肉質で、少し若くなっていることに気がついた。聡いジョセフはその非現実的な状況から理解する。  これは夢だ。 ぼんやりと部屋の空間を見つめ、そのまま、ゆっくり瞼を閉じた。夢ならすぐに覚めるだろう。ジョセフはそう考えたのだ。それにその予想は正解だった。しばらく瞼を閉じていると意識は自身から離れていき、気が付けば仕事場のデスクの上で目を覚ました。 朝の光がジョセフを目覚めさせる。仕事が忙しく昨日は帰れなかったことを覚醒してきた頭でしだいに理解した。うー
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ジョセフ・ジョースターの憂鬱 presented by 北見様

    ジョセフ・ジョースターは困っていた。 四月下旬。すぐ目の前には五月初旬にかけての大型連休が待っていて、友人たちとは遊びに出かける計画を立てている。履修している科目の担当講師は、せっかくの連休に宿題を課すことのない良心的な人間ばかりだったし、泊りがけの旅行は随分と久しぶりで純粋に楽しみだ。疲れを癒すために連休の最終日は空白にした。抜かりはない。もちろん天気予報もチェック済み。快晴。目下の憂いはないと思われた。 それにも関わらず、ジョセフの心中は穏やかではなかった。 観光中も、渋滞に巻き込まれながら眠気と格闘しているあいだも、気心の知れた連中と笑い合っている真っ只中に
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